
それでも何とか正法の勤行を、恩人である日蓮正宗の東倉さんに教わった通りに朝夕しっかりと行っていった。
すると徐々にではあったが、それこそ薄紙を一枚ずつ剥がしていくが如くその呪いの声や悪霊による呪縛も消えていった。
そんな中、
———————今でも忘れられない、平成一五年三月一五日————————
ちょうどあの悪霊の子供たちのわらべ唄が聞こえてから百日後の事であった。
『ちょ~うだいな~ちょうだいな~』『ちょ~うだいな~ちょうだいな~』
と、なにやらまたあの悪霊の子供らの声でわらべ唄が聞こえだした。
—————-また悪霊らの呪いの唄でも始まったか・・・——————————
と、集中して聞いてみた。すると、
『ちょ~うだいな~ちょうだいな~、ちょ~うだいな~ちょうだいな~』
「今度は何をちょうだいと言っているんだ?全く意味がわからない!」
私はこう観念をこらして心の中で聞いてみた。すると子供らの声は、
『そうかに戻って』『ちょうだい』『な~~~・・・』
の、「な~~~」の言葉を最後にフェード・アウトしていった。
———————「草加に戻ってちょうだいな~」だと?私は草加市には住んでいた事などないが・・・そうか?・そうか!・ そういう事だったのか〜・・・——–
「ソ・ウ・カ」と、私は合点がいった。
その日以来、妖怪、悪霊、怨霊らの気配すらない。
—————今となっては多少は心寂しい気もするが・・・——————————